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世界遺産ルーマニアのブナ原生林群

2017年に登録されたUNESCOの自然遺産

カルパチア山脈は中央・東ヨーロッパに位置する山脈で、ルーマニアでは国の中央を逆「く」の字のようにこの山脈が通っており、ルーマニアを自然豊かな国にしてくれています。そのカルパチア山脈に数多く存在するブナ原生林が2017年の世界遺産委員会で新たに登録されました。

1万年前に最終氷期が終わるとヨーロッパに点在していたブナ林は、アルプス、カルパチア、ピレネーそして地中海地方など中央ヨーロッパに4千年の歳月をかけどんどん広がっていきました。これらブナ林の拡張は気候の変動や地形に密接に関係があるのではないか、とUNESCOはブナ林がヨーロッパ各地に存在する理由を考察しています。

原生林とは人の手が加えられない自然のままに存在する森林を指します。ヨーロッパのブナ原生林にはヤマネコや狼、熊、そして絶滅危惧種を含め約1300種類の動物そして植物が生存し、安定した生態系を保持しています。50m以上を越えるブナも生育しています。またロシアを除いてブナ原生林はヨーロッパの森林の65%を占めています。

さて、2017年に自然遺産として登録されたブナの原生林はルーマニア一国のものではありません。
まず2007年にスロバキアとウクライナのブナ原生林が『カルパチア山脈のブナ原生林』として登録され、その後2011年にドイツのブナ原生林が追加され『カルパチア山脈のブナ原生林とドイツの古代ブナ林』と登録名が変更になりました。そして2017年、ルーマニアの他にアルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、イタリア、スロベニア、スペインも追加され、合計12カ国に存在するブナ原生林が『カルパチア山脈など欧州各地のブナ原生林群』として登録されました。

自然遺産に登録されたルーマニアのブナ原生林

今回自然遺産に登録されたルーマニアのブナ原生林は以下の9か所です:

カラシュ・セヴェリン県(Caraș Severin) ネレイ源泉 (Izvoarele Nerei)
ネレイ・ベウシュニッツァ渓谷 (Cheile Nerei-Beușnița)
ドモグレド・ヴァレァ渓谷 (Domogled-Valea Cernei)
ヴルチャ県 (Vâlcea) コジア山 (Masivul Cozia)
ロトリショル (Lotrișor)
ブラショフ県 (Brașov) シンカ原生林 (Codrul secular Șinca)
スチャバ県 (Suceava) スラティオアラ原生林 (Codrul secular Slătioara)
マラムレシュ県(Maramureș) グロシ ツィレシュルイ (Groșii Țibleșului)
ストゥルンブ バイウッツ (Strâmbu Băiuț)

残念なことにルーマニアの森林は違法伐採でどんどん破壊されています。自然遺産に登録されたことによりその存在価値と違法伐採に対する取り締まりを強化し、今まで以上に森林を大切に守っていけるのではないか、と大きな期待が寄せられています。