トランシルヴァニア地方のCovasna(コヴァスナ)県やHargita(ハルギタ)県にはセーケイ人(ルーマニア語ではSecui(セクイ))というハンガリー系の民族が住んでいて、今でも大切にセーケイ文化・伝統を守っています。
そのセーケイ人の食文化や伝統芸術を体験してみましょう。
ジャガイモがコロコロとパンの中に入っているのではなく、パン生地にジャガイモが練りこまれているんです。
ジャガイモが練りこまれ十分発酵したパン生地に粉をまぶして、パン一つ分を切り取り、粉が敷かれたまな板の上で丸くこね、乾燥しないようにかごの中に入れていきます。
準備しておいたかまど(中の木が全部燃え、炭状態になったらOK)の炭をどかし、丸めたパン生地を一つずつ丁寧に木べらで並べていきます。
パンが出来上がるのに約1時間。その間に、次回のパン生地の準備をします。
まずはゆでたジャガイモの皮をむき、つぶします。つぶしたジャガイモと小麦粉をちょっとずつ混ぜていきます。
パン生地が入っていた大きな木の器にこびりついたパン生地のかすを丁寧にこそぎ落とし、人肌くらいのお湯の中で揉んで、酵菌を取り出し、ジャガイモの生地と混ぜていきます。最後にしっかりと揉み、完成!あとはゆっくり寝かせて、明日のパン作りの生地が出来上がり♪
一時間が経ちました。かまどを開け、パンを取り出します。表面が焦げているので、包丁の背でたたいて、残りはチーズ削りでこそげ落とします。
おいしい、おいしいジャガイモパンの出来上がり!
トゥルタ・ドゥルチェは直訳すると「甘いお菓子」。クリスマス市やお祭りの露店などでよく目にしますね。クリスマスや結婚式のお祝いなどにちょっとしたプレゼントであげるようです。
Szántóさんのお宅では、おばあさんの時代から使っている型抜きがあり、レシピもおばあさんのもの。小麦粉とマーガリンの生地に蜂蜜、アニス(香草)、シナモン、クローブが練りこまれています。おうちの中に窯があり、2週間に1回、数百の下地となるクッキーを焼きます。形はハートやもみの木、動物、車、ハンガリーの童話(カタツムリとチョウチョ)なんかもあります。ハートの中に鏡が入っているものもあります。表面を赤く塗り、その上に砂糖で文字や絵を描いていくのですが、それは本当に難しい作業なんです。
「今日来た記念だよ」とくれたTurta Dulceに私の名前の漢字。彼が生まれて初めて書いた日本語!とーても上手に書けてるので、彼の技術は相当なものなのだ、とあらためて感動です。